【030】不特許事由に該当する発明とは?

Q)特許法第32条の不特許事由に該当する発明とはどのようなものがありますか?

A)実務上はほとんど目にすることがない拒絶理由ですが、発明の内容が、公の秩序、善良の風俗又は公衆の衛生(公序良俗等)を害するために、特許を受けることができないというものです。本条は、このような公益的な理由から規定されています。

 具体例としては、「遺伝子操作により得られたヒト自体」、「専らヒトを残虐に殺すことのみに使用する方法」といったものがしばしば例示されます。
 その一方で、不特許事由に該当しない例(実務上はこちらが重要だと思いますが)としては、「毒薬」、「爆薬」、「副作用のある抗がん剤」、「紙幣にパンチ孔を開ける装置」といったものがしばしば例示されます。最後の「紙幣にパンチ孔を開ける装置」については、真貨である紙幣の変造等による犯罪に用いられるとは限らないという理由から、不特許事由に該当しないとされています。