【050】特許出願の取下げ・放棄ができない場合

Q)出願人が自らの特許出願を取下げ・放棄することができない場合はありますか?

A)あります。特許法第38条の2には、「特許出願人は、その特許出願について仮専用実施権を有する者があるときは、その承諾を得た場合に限り、その特許出願を放棄し、又は取り下げることができる。」と規定されています。よって、この特許出願について仮専用実施権者が存在する場合には、その者の同意が必要ということになります。
 本来、特許出願の放棄及び取下げは、出願人の自由に委ねられるべきものです。しかし、仮専用実施権者してみれば、特許出願の放棄又は取下げによって将来の実施権者としての地位を失うことになり、不利益を被ることになります。このような観点から、特許出願の取りげ・放棄については仮専用実施権者の同意を必要としています。