【024】新規性の「公然実施された」とは。

Q)新規性の「公然実施をされた発明」の「公然実施」とは、具体的にどの程度のことをいうのでしょうか?

 

A)特許法第29条第1項第2号の「公然実施をされた」の具体的な意義については、条文上は規定されていませんが、審査基準(審査基準第Ⅲ部 第2章 第3節 3.14)によれば、「公然実施をされた発明」とは、その内容が公然知られる状況又は公然知られるおそれのある状況で実施をされた発明をいうと解されています。

 

例えば、装置などの発明では、❶外形のみ知られた場合、❷技術の内容が理解できないような相手(例えば、子供)にのみ見せたという場合は、それをもって直ちに公然知られる状況にあったとはいえないと解されています。しかし、❶観覧者から説明を求められれば、案内者は装置内部の発明品につき説明する容易があったとか、❷観覧者がたまたま子供であっただけで、これを理解できる者からの申込みがあっても観覧させる予定であったような場合には、公然知られるおそれにある状況にあたり、公然実施をされた発明となる可能性があります(吉藤幸朔著、「特許法概説 第13版」、80頁)なお、発明が実施をされた結果、公然知られたといえる場合は、第29条第1項第1号の「公然知られた発明」にも該当するので、注意が必要です。

 

なお、「公然実施をされた発明」は、通常、機械、装置、システム等を用いて実施されることが多いようです。その場合、審査官は、用いられた機械、装置、システム等がどのような動作、処理等をしたのかという事実から公然実施された発明の内容を認定します。その事実の解釈では、審査官は、発明が実施された時における技術常識を参酌することにより当業者が導き出せる事項も、「公然実施をされた発明」の認定の基礎とします。