【048】単一性の趣旨

Q)特許法第37条の発明の単一性は、拒絶理由ではありますが、無効理由ではありません。なぜでしょうか?

A)ここでは単一性の趣旨に立ち返って説明します。特許法第37条は、2以上の発明が一定の技術的関係を有することにより発明の単一性の要件を満たす一群の発明であれば、これらの発明を1件の特許出願においてクレームできる旨を規定しています(単一性要件)。
 単一性要件は、出願人、第三者及び特許庁の便宜のための規定だとされています。例えば、発明の単一性の要件を満たさない2以上の発明を含む出願であっても、発明に実体的な不備がなければ、単一性要件を満たさない2以上の発明について異なる特許出願とすべきであったという手続上の不備があるのみということになります。このような観点から、単一性要件は、拒絶理由ではあるが、無効理由とはなっていません。
 なお、このような事情に鑑み、審査官は、単一性要件の判断を必要以上に厳格にすることがないように審査するとされています。