【040】先行技術文献情報開示要件違反

Q)特許法第36条第4項第2号(先行技術文献情報開示要件)違反の具体例を教えて下さい。

A)実務上は、この拒絶理由を指摘される機会は少ないかも知れませんが、審査基準(第Ⅱ部 第1章 第3節 2.4)には、代表例として以下の具体例が挙げられています。

❶先行技術文献情報が記載されていない場合であって、その理由が記載されていないとき。

❷先行技術文献情報が記載されていない場合であって、その理由は記載されているものの、請求項に係る発明に関連のある文献公知発明を特許出願の時に出願人が知っていた蓋然性が高いと認められるとき。

・先行技術文献情報が記載されておらず、その理由として出願人が知っている先行技術が文献公知発明に係るものではない旨が記載されているが、請求項に係る発明と関連する技術分野において、その出願人による出願が多数公開されている場合

❸明細書又は図面に従来技術が記載されている場合であって、その従来技術に対応する先行技術文献情報が記載されておらず、その理由も記載されていないとき。

❹請求項に係る発明に関連しない文献公知発明に関する情報の所在のみが記載されている場合であって、請求項に係る発明に関連のある文献公知発明を特許出願の時に出願人が知っていた蓋然性が高いと認められるとき。

・請求項に係る発明と技術分野及び課題が同一の文献公知発明について広く一般に知られているにもかかわらず、請求項に係る発明と技術分野又は課題が異なる発明であって、請求項に係る発明と関連しないものに関する先行技術文献情報のみが記載されている場合

・請求項に係る発明とより関連性の高い、新しい文献公知発明が広く一般に知られているにもかかわらず、関連性がほとんどない、古い発明に関する先行技術文献情報が記載されている場合