【099】判定
Q)判定(特許法第71条第1項)とはどのようなものですか?
A)判定(特許法第71条第1項)とは、特許庁が、特定の特許権について権利侵害の可能性の有無を、厳正・中立的な立場から判断する制度です。判定は、訴訟と異なり、行政サービスの一種であり法的拘束力はありませんが、その特徴としては、
・中立・公平な立場で特許庁が示す判断であること、
・比較的短期で結論が得られること(最短で3ヶ月)、
・安価な費用、
・簡単な手続(審判手続に準ずる点が多い)、
といった点が挙げられます。
特許権者が、他人の商品(実施対象物)などについて、それが自分の特許発明の技術的範囲に属する(自分の特許権を侵害する)ものであるかどうかを知りたい、とか、特許権者でない第三者が、開発投資ないし事業の計画中、あるいは現実に実施中のものについて、それが他社の特許発明の技術的範囲に属するかどうかを知りたい(安心して実施したい)といった場合に、判定として、専門官庁である特許庁の公式見解を得ておく意義があります。
さらに、判定には法的拘束力はありませんが、特許権侵害訴訟等の争訟に比して低廉な手続制度ですから、訴訟費用等が負担と感じるベンチャー企業や中小企業等にとって判定を活用する余地はあるでしょう。