【015】出願却下処分の謄本の到達前に差し出された応答書面

Q)出願却下処分の謄本の到達前に、手続補正書を提出した場合、どうなりますか。

A)方式審査便覧43.21によれば、特許法第18条第1項又は実用新案法第2条の3の規定による出願却下処分の謄本が出願人へ到達する前に、手続補正書(実用新案法第6条の2の規定による補正指令に対する補正であって、その指定した期間の経過後に差し出されたものを除く。)が差し出されており、これにより出願の欠陥が補正される場合には、出願却下処分を取り消し、手続補正書を受理する、とされています。
 この場合、手続補正書の差出日が不明な場合であって、手続補正書の差出日と出願却下処分の謄本の送達日の前後が問題となるときは、出願人が、書留郵便物受領書、特定記録郵便受領証等によりこれを証明しなければなりません。

 これに関して、地裁判決ですが、特許庁内部的に成立した特許出願人を相手方とする行政処分について、特許出願人に対して効力を生ずるためには、特許出願人に告知することが必要であり、行政処分としての効力を発生するに至っていない告知前の時点において、補正がされ手続の瑕疵が治癒された場合には、特許庁長官は当該行政処分を撤回し、手続を続行すべきであると解する旨を判示したものがあります(昭和50年4月30日東京地裁判決・昭和49年(行ウ)第39号)。